「お客さんや建築士らみんなで作り上げていくことで、家に愛情が生まれる」と喜多山さん。インテリアだけでなく、住生活全般をサポートできることを理想と考え、自分を磨いていく
LDKは天井の間接照明にLEDライトを利用し、イタリア製の壁タイルをアクセントにした。。立ち位置によって、白いイメージの部屋に見えたり、茶色が基調の部屋にも見えたりと、飽きのこないコーディネートに

 「お客さんが自分なりにコーディネートを楽しんでいたり、しっかりと庭の手入れをしているのを見ると、この家を愛しているんだなとうれしくなる」と話し、生活を楽しむ施主の姿に達成感を感じる。
 喜多山工務店(弘前市高屋)を立ち上げた父親との会話は家のことばかりで、子供のころは休日を現場で過ごすような環境で育ったが、大学は社会科学科、卒業後はNHK青森放送局のニュース番組アシスタントと、建築とは関係のない道を歩んだ。
 ある時、「流されるだけで残らない」ニュースに違和感を覚えるようになった。「形が残る仕事をしたい」思いが家づくりだと気付くと、契約期間を2年残してアシスタントを退職。独学を続けて昨年、念願の資格を取得した。
 現場では試験のための知識だけでは対応できないという。そこで力になったのがNHKでの経験。「取材をしていたことで、気になることをすぐに調べるなどの行動力がついた」といい、さらに「きれいなものを見て、吸収するのも仕事」と、二カ月に一回は東京でオペラ鑑賞や美術館巡りもする。「じっとしていると、時代に取り残されそうで怖いのかも」というのが本音らしいが、そうした姿勢は、間違いなく自身のレベルを高めてきたといえる。
 水回りと玄関周りにこだわる。水回りは「毎日使う、清潔であるべき場所」、玄関は「来客の多くが用事を済ませる場所」というのが理由。一方で、こだわりながらも可能な限りシンプルにすることも心掛ける。「最初から作り込みすぎると、住む人の楽しみが少なくなる」ためで、長く愛される家になってほしいという願いを込める。
 和室のないログハウスに「親からもらった津軽塗のテーブルをどこかに使いたい」と難しい相談をされ、「送ってくれた親の思いを毎日感じられるように」と、毎日必ず使う寝室の間接照明として使用することを提案し、喜ばれたという。「難しいほど“燃え”、いいアイデアも浮かんでくるもの」と笑う。
 「私一人ではクリエートできない」と、客はもちろん、建築士の兄らスタッフと、完成させる喜びを共有できることにやりがいを感じている。さらに住む人の喜びと安心感を増幅させたいと、インテリアにとどまらず、住生活すべてをサポートできるアドバイザーになることを目標に掲げる。