再処理工場の審査書交付後、記者団の質問に答える増田社長(左)

 新規制基準に「合格」した日本原燃の再処理工場(六ケ所村)だが、2021年度上半期の完成目標は厳しさを増している。今後は「設計及び工事の計画の認可(設工認)」や使用前事業者検査の審査などが控える。原子力規制委員会側は設工認について「緻密な作業が必要」とし、最低でも1年以上は必要とみているが、原燃側は類型化などでスリム化を図り「(審査期間を)1年以内で終わらせるように、もっと短くなるように取り組む」(増田尚宏社長)と意欲を示す。
 規制委は6月24日の定例会で、設工認や使用前検査の審査の進め方について方針を示した。
 定例会に先立って開かれた6月1日の審査会合では、原子力規制庁が原燃に設工認に対する基本方針をただした。原燃側は10月にも4分割して申請する方針を示し、7月半ばには申請スケジュールを示すと回答した。しかし規制庁の審査担当者は7月29日、「原燃から思ったようなアクションはない」と語った。
 規制庁の幹部は「審査には効率性が求められると思うが、原燃が言ってこない。普通はこんなことを考えてますと言ってくる」とし、「本気でスケジュールを考えた時、現在の完成目標とそごが生じるから言えないんじゃないか」と突き放す。
 一方、原燃の増田社長は審査書を交付された後の会見で、規制委の更田豊志委員長の言葉を引用しながら「規制庁と議論しコミュニケーションを取りながら準備を進めている。設備・機器の数は多いが、われわれがいかにうまくまとめられるか、審査を効率的に進めるため頭をひねっている」と説明する。
 設工認の審査と並行し、事業者による使用前検査の進め方も議論される見通しだ。経年劣化した機器は相当数に上り、その健全性については追加の試験をせず、書面で了解されるかも焦点となる。
 「機器の健全性の評価をどう検査に織り込むか、その検査も審査して適切か、充足性があるのか、規制庁の確認に耐えられるものかが問われる」
 設工認の方針が議題となった6月29日の審査会合では、規制庁の審査担当者が使用前検査についても説明し、その要求レベルの高さをうかがわせた。
 規制庁の長谷川清光管理官は「合格はしたが、本当の意味での安全対策が始まる」とした上で、「設工認の体制を強化するとしているが、何百人かの実働部隊を束ねる、マネジメントできる人間がいない。これは常に付きまとう原燃の体質の問題」と指摘した。