高齢者(ここではおおむね75歳以上の後期高齢者、65~75歳で寝たきり等一定の障害のある方)の脱水症についてお話させていただきます。
 脱水症とは体内の水不足状態で多くの方がご存じのあの脱水症です。特に高温・乾燥状態の環境では体から水分が失われ脱水状態になりやすいのですが、これとは別に種々の基礎疾患のある方、あるいは利尿剤等の薬剤に起因する脱水状態もよく知られています。
 脱水のない通常の状態で考えますと、さまざまな基礎的条件の上になんとかバランスをとって恒常性が維持されているわけですが、これに何らかの環境等の悪化要因が加わると脱水症を引き起こします。
 特に高齢者の場合、多くの服薬があったり渇中枢など生体側の機能低下があったりで、不利な要件が多く整っています。脱水症については血液検査データからの計算で高張性脱水、低張性脱水、(そのどちらでもない)等張性脱水の三つに分類することもできます。この分類はナトリウムなどの電解質等と(純粋に)水の量とのバランスで決まりますが、分かりやすく言えば水が主に足りない(高張性)、電解質等の成分が主に低下している(低張性)、両方一緒に低下している(等張性)ということになりましょうか。
 当院でのデータでは高齢者の80%ぐらいの方々は高張性脱水になっていることが多く、症状が全くない平常状態でも、高張性脱水準備状態になっている状況が推察されます。
 この場合、お茶など(電解質・糖分などを含まない)水分を補給すればいいのですが、ここでもう一つ問題があります。経口摂取されている方では、ご自分では十分水分補給はしているとお答えになる方がほとんどですが、実際のところは水分補給が不十分になっていることが多いとされています。計画的に水分補給を心掛ける必要があります。
 高齢者ならずとも昔から午前(10時)、午後(3時)に、お茶の時間を設ける習慣があります。忙しい現代社会においても大事なことと思います。
(八幡町クリニック院長 大塚勝幸)